突然ですが、あなたは「ハロー効果」というものを知っているでしょうか。
ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。 光背効果、後光効果とも呼ぶ。 心理学の世界では、認知バイアスと呼ばれるものの1つである。
ハロー効果につていは、ビジネススクールでもMBA用語集の1つとして紹介されています。
つまり、ビジネスの場面でもこのハロー効果というのは重要なものです。
で、このハロー効果という名称はどうでもいいのですが、実は就活の面接時ではこのハロー効果を上手く使っている人ほど、企業の選考には突破しているのです。
意識的に使っている人もいれば、無意識でやっている人もいるでしょう。
しかし、もしこのスキルを意識的に使えるようになっておけば、短い面接時間の中で、最高のパフォーマンスを意図的に発揮することが出来るようになります。
ある程度のハイレベルな就活生が集う面接となると、学生時代の経験や、その人自身のポテンシャルには、もうそれほど差がありません。
もちろん、じっくり時間をかけて、一人一人と向き合うことが出来れば、そのあたりの差も見極められるのでしょうが、何せ15~30分程度の面接では不可能です。
となると、面接官は何をもってして学生を判断するのかというと、面接時にどれだけ優れた学生に見えたかどうかです。
つまり、実際に優秀かどうかというよりも、優秀だという印象を持たすことができた者が勝つのです。
これは面接の仕組み、時間の都合上、仕方ありません。
そこで今回は、ハロー効果を使って、面接官に”あの子は優秀な学生であったなぁ”という印象を抱いてもうらための2つの小ワザについて解説していきます。
- ハロー効果を利用して、あなたが面接時に”やるべきこと”は何か
- 面接官に強烈な印象を残すためにハロー効果が有効になる、エピソードの種類は2パターン
- 【強者の戦略】「わかりやすいエピソード」を特にひねりもなく淡々と話す
- 【弱者の戦略】面接官から必ず質問されるようなフックをかけた回答を作り込んで「大したことないエピソード」を軸に深く鋭く話す
- どうやって面接官から平凡エピソードのことで興味を持ってもらえるようにするのか?
- まとめ
ハロー効果を利用して、あなたが面接時に”やるべきこと”は何か
あなたが面接時にやることは、短い面接時間の中で、あなたを優れた人間であったと面接官の頭に印象として残すことです。
つまり、ここがゴールです。
このゴールを達成したものが選考に通過できます。
優れた人間であると思わせるためには、最低限何か1つの「この学生はすごいな」と面接官を思わせるエピソードが必要です。
そして、そのエピソードを面接官が聞いて、この学生はすごくよかったなという印象を強く抱いてもらう必要があります。
この強く抱くというのがポイントです。
強く抱いてもらうのではなく、なんとなく抱いてもらうのでは、せっかくのハロー効果も半減してしまいます。
面接官に強烈な印象を残すためにハロー効果が有効になる、エピソードの種類は2パターン
面接官の頭に、「あの学生は優秀だったな~」という印象を叩き込むことができるエピソードには2パターンあります。
【強者の戦略】「わかりやすいエピソード」を特にひねりもなく淡々と話す
1つは、とんでもなくわかりやすい資格や、わかりやすい経験そのもののエピソードを話すという方法です。
この方法は、いうなれば王道です。
強者の戦略とも言えます。
だからこそ、これは誰でもできるものではありません。
例えば、、
- 私はトイック900点で、英語も話せます。
- 私は海外の大学に交換留学を一年間して、現地の大学で数十単位取得しました。
- 私は、起業経験があります。月30万の売り上げ1年間維持しました。
と、こういったエピソードです。
ね、ズルいですよね。まさに強者だからこそ成せるワザです。
王道だから、それ以外のエピソードを話した方がいいかな?なんて思わなくてもいいです。
誰もがやっていない経験や、資格を取得しているようなエピソードは、素直にそれを語ればいいです。
面接官も、あなたが1を話せば、10の質問をしてくるはずです。
そして、素直にその質問に答えましょう。
そして、あなたは淡々とその質問に「いや、別に余裕でこれくらいのことは大学生なんだからやってますけど?」というテンションで臨めば問題ありません。
淡々と、おしとやかに、物凄いエピソードを語ってやりましょう。
この「物凄いエピソード」によって、面接官の頭には、いやでもその学生の印象が擦り付けられ、選考通過はたいいて叶うでしょう。※最終面接はまた別です。
これが1つ目のパターン。
とはいっても、僕の場合、こういった物凄いエピソードといえるような、わかりやすい特徴はありませんでした。
なので、できるひとだけ、存分にやりましょう。
で、もう1つ面接官にあなたのことを優秀であると印象付けるための方法があるので、僕が実際に面接でも意識的にやっていた、そちらを説明していきます。
【弱者の戦略】面接官から必ず質問されるようなフックをかけた回答を作り込んで「大したことないエピソード」を軸に深く鋭く話す
これは言うなれば、弱者の戦略です。
こちらの方法で重要なのは、エピソードそれ自体の内容ではなくて、エピソードの出し方です。
で、ハロー効果が効果的に発揮される方法をおさらしておくと、ハロー効果はというのは、、
”何か1つ目立ちやすい特徴をあげると、それに人は引きずられて、その人についての評価をする際に他の点の評価はぼやけてしまって、その人は優秀であるというレッテルを貼ってしまう”
という効果でした。
これを簡単に発動させるための方法が、まさに一つ目の方法である【強者の戦略】だったわけです。
で、弱者の戦略をしなければいけない人がどんな人かというと、わかりやすい特徴ともいえる自分自身を語れる物凄いエピソードがない人にあたります。
例えば、アルバイト経験や、学生団体にいた経験、サークルを頑張っていた経験、ゼミの研究を頑張っていた経験などといった目立った経験をしてこなかった人です。
で、具体的にこの人たちがどうすればいいのかというと、まず意識すべきことは「大したことないエピソードであっても、その一つについて、徹底的に深く話すことです。
ここで深く話すというのは、アルバイトでは、何を覚えて、どんな楽しいことがあって、どんなしんどいことがあって、などというその時間軸だけの説明ではありませ。
それに合わせて、そのアルバイトが自分の大学生活においてのどんな意味があって、その後の人生を歩んでいくにあたってどういった影響をもたらしたのか?、どうしてそのアルバイトに取り組み、何を学ぼうと思ったのか?、学んだことから、次にどう行動していこうと考えたのか?、アルバイト前とアルバイト後では、どのように自分は人間的に成長したのか?‥
と、こういったより広い時間軸でみた内容を語ることが出来ることが重要なのです。
もし何も考えず、ただただお金を稼ぐという作業をしていたとして、”無”の状態でアルバイトを何年もしていたというのは、まずありえないことです。
お金を稼ぐためだけだとはいえ、その背景には、何か考えがあったはずです。思い出しましょう。
その稼いだお金をもってして、そこからどう行動し、何を成し遂げようと考えていたのか絶対に理由があるはずです。
もしそれがただの遊びに使うことが目的であったとしてもいいです。
その遊びの中にあなたは何を求め、いかにその後の人生を豊かにしていこうと思って、遊ぶという目標のためにアルバイトをこなしてきたのか、そこを深く、過去とその時と未来の視点から話せるはずです。
というように、平凡なエピソードであってもそれを徹底的に深く話すことを通じて、そこからあなたの価値観を面接官に伝えていくことが狙いになるのです。
で、ですよ。
これを面接中にやれといっても、そう簡単にできるわけじゃありません。
深く話すための話の内容を考えることはやればいいだけなので、やってください。
そのうえで、どのようにそういった平凡エピソードをこっちが、とことん話せる状況にもっていくのかが難しいわけです。
面接官が特に何もいってないのに、勝手に自分の価値観を、過去の経験を通じてズラァァァァといきなりペラペラ話し出しても気持ち悪いだけです。
繰り返しますが、平凡エピソードを通じて、あなたの価値観を語るところまで話させてらうのは、難しいです。
特にどういうところが難しいかというと、あなたが平凡エピソードを面接中に持ちこんでしまうと、面接官もそのエピソードには過去の経験上、どうせ大したことないだろということで、次から次へと全然違う話を振ってきてしまうというところに難しさがあるのです。
そうなると、もしここであなたが面接官の言われるがままに、全然違う平凡エピソードをポコポコ何個も話しても、それを聞いてる面接官は、(あーはいはいこの子は結局たいした経験はしてないいのね、はいさいようなら。)となるわけです。
「わかりやすい物凄いエピソード」を話せるのであれば、その人の価値観はもちろん、思考の過程についまでも、面接官が勝手にグイグイ掘り下げてくれます。
なぜなら、そのエピソード自体がレアだからもっと聞きたいと、面接官としても素で思うからです。
でも、そうではない平凡エピソードを話し出したところで面接官はその話を意気揚々とは掘り下げてはくれません。
価値観も、思考の過程にも、下手すれば一切触れてくれないでしょう。
だから、どんどんあなたは広く浅いエピソードを話さざるをえない状況へと追い込まれていくのです。
そこで、あなたがやるべきはこれを阻止することです。
あなたの平凡エピソードが、一見平凡に見えるけれども、実は私はこんなにも多くのことを考え、学び、将来を見据え、行動してきたんだという深く、かつ鋭い視点を持った話にすることができればい いわけです。
それができれば、面接官としても、いい意味で期待が裏切られることになります。
この学生は、他の学生と同じ経験を通じて、こんなにも多くのことを考えていたのか、こんなにも多くの学びを生み出せるのか、となります。
なるというよりも、しなくちゃならないんです。
でなければ、コンサル志望の就活生が鉄板ネタにしている「わかりやすい物凄いエピソード」にはまず負けてしまいます。
そんなやつらに張り合うためにも、小さな経験から、多くの学びを得られたというエピソードは強みになるのです。
大きな経験でなくとも、日常生活にあるありふれたことから、物事を深く考えられる能力は、すぐに成長できるという証拠にもなります。
成長する学生は、新卒にとってまさに求められている素質です。
という風に、これが平凡エピソードを語ることによって、面接官にあなたの印象を頭に叩き込むための大枠の戦略になります。
どうやって面接官から平凡エピソードのことで興味を持ってもらえるようにするのか?
先ほども少し言いましたが、面接官は、基本的には平凡エピソードなどには興味をもってくれません。
これは何十回という学生の相手をしている1人の人間のことを思うと、仕方ありません。
そりゃ同じようなことを何度も聞かされたら飽きます。
なので、もしあなたが平凡エピソードに何のフックもかけずに話してしまうと、面接官は「あっそうですか。じゃあ、次は‥」と、全然関係のない質問をポンポン振ってきます。
なぜならあなたの回答に対して、これ以上は何も出てこないと判断されているからです。
これを繰り返せば、あなたはただのつまらないことしか出ない人というレッテルを貼られるだけです。
そして、普通に落ちます。
ではここで、つまらないことしか出てこないレッテルを貼られないためにどうすればいいのかというと、面接官からの質問に対して、あなたが答える回答の中に、必ず面接官がどうしても突っ込みたくなるようなフックをかけておくことが重要になるのです。
つまり、面接官からの「え、それってどういうこと?」という食いつくエサを、あなたの回答に意図的に仕掛けるということです。
「え、それってどういうこと?」が毎度のように、違う面接官からも帰ってくるようになれば、あなたの回答にはフックが上手く掛かっていることを意味します。
それができたら、あとは面接官が食いついた質問に対して、あなたは「実はですね‥」という形で、最初に答えた平凡エピソードから、面接官の期待を盛大に裏切る形で、ブワッと風呂敷を広げるわけです。
風呂敷を広げるというのは、その平凡エピソード1つが、自分の大学生活、さらには人生において、どういう意味付けでどういう思考の過程にあるものだったのかといった、より時間軸を広げた視点をもって話し、そこからあなたの価値観を伝えていくという具合です。
この風呂敷を広げさせてもらえる段階に持ち込めれば、もうこっちのものです。
面接官は、あなたが平凡エピソードから盛大に広げた持論についての、気になるところをどんどん聞いてきます。
それに対して、あなたはあらかじめ準備してきた強力な話のネタを、どんどん面接官にぶつければいいのです。
このキャッチボールが数回出来れば、その時点であなたは普通の就活生とは既に違うことが面接官は気づいています。
あなたの平凡なエピソード1つから、こんなにもこの学生は考えていたのか‥と、面接官は感心します。
ここであなたは、面接官からの評価として、平凡なエピソードからより深く鋭く思考の過程を巡らすことが出来る学生として判断され、あなたを次の選考にも通そうと決断してもらえるわけです。
まとめ
平凡エピソードを徹底的に語るためには、フックをかけておくことが必要になってくるとはいいましたが、このフックをかけておくのが難しいところです。
で、こればっかしは、実際に面接の場数を踏んでみて、そこで何人もの面接官から同じような質問をされて、それに対する答えを徹底的に作りこんで、その答えに対して、面接官が次に聞いてくる質問が、別の面接官に聞かれてもたいてい同じになるような回答が出来るまでトライアンドエラーを繰り返してください、としか言いようがありません。
このフックの掛かった回答の完成は、本命企業の選考までには間に合わせましょう。
あなたが話す平凡エピソードについての深いところまでを、聞かれるべくして聞かれて、その回答によって優秀な学生だと思ってもらえるべくして、話す。この流れを完成させることができれば、もうあなたは意図的に自分が優秀な学生であると思ってもらえる技を身につけたも同然です。
僕もこのやり方で、面接経験を何度も何度も何度も、重ねることによって、この流れを作れるようになりましたから、あなたにも必ず出来るようになります。
僕が就活終盤の面接のときには、「あー、なるほどね。そういうことか。それは面白いね。」という面接官のセリフが、どこかのタイミングで必ず出るようになっていました。
これはつまり、”面接官が質問して→僕が回答して→面接官がその回答に深く踏み込んできて→それについて僕が深く鋭く回答して→面接官が納得する。優秀な学生だなぁと感心する”
という流れに意図的に持っていけるようになっていたからです。
なので、就活上級者が面接で考えていることは恐らく、与えられた面接時間の中で、どのタイミングで自分の鉄板のテンプレともいえる、、
”面接官が質問して→僕が回答して→面接官がその回答に深く踏み込んできて→それについて僕が深く鋭く回答して→面接官が納得する。優秀な学生だなぁと感心する”
↑これを自然な形で、ねじ込むかということを、最低限のやるべきこととして、意識的にやっているはずです。
言ってしまえば、必殺技を出せるタイミングを、面接というバトル中に、時に苦戦しながら、ここぞというところで出す、というようなそんな感じです。
ちょっと何言ってるわからないと思う人もいる思いますが、とにかく面接の数を積み重ねていけばわかります。
面接が苦手とか、苦手じゃないとか関係ないです。
とにかく場数を踏んで、自分だけの勝ちルール持ち込め技を手に入れてください。
そうなれば、もうそこからは相当強いです。
そのためにも、やはり場数です。
方法としては、本選考のルートからwebテストやESを書くルートで実践経験を積むのもいいですが、楽に練習するにはスカウト型就活サイトを活用して場数を踏む方法が何より時間短縮にもなっておすすめです。
そして、選考の場数を踏むうえでは、今回お伝えした「ハロー効果を意識した、面接官に”あの子は優秀な学生であったなぁ”という印象を抱いてもらう技術」を知識として持っておいてもらえれば、面接官からも確実に高評価をもらえる技術が身につくのです。それでは、また。